頻尿と残尿感 | 尿切れが悪い原因と解消方法
本来、健康な排尿が出来ていると、おしっこが勢いよく出て、出したあとはスッキリと気持ちがよいものです。
しかし、様々な原因から、「排尿後にスッキリしない」「おしっこが全部出たのかどうかはっきりしない」という感覚に悩まされている方が多くいます。
今回は、そんな残尿感の原因と解消方法についてまとめます。
男性は前立腺肥大症が主な原因
50代以上の男性の約半数に前立腺肥大の症状が出ています。
前立腺は尿道のつけ根に巻き付くようについている男性特有の器官ですが、これが肥大すると尿道を圧迫するため、おしっこが出にくくなります。おしっこを勢いよく出そうとしても、尿道が狭くなっているためにチョロチョロという感じで少しずつしか出せません。いわゆる、“尿切れが悪い”という症状です。
尿切れが悪いと、いったんおしっこが止まっても、またすぐにおしっこをしたくなる頻尿になったり、尿道の途中に残っていたおしっこが後で漏れ出して下着を汚したりと、スッキリしない状態が解消しません。
悪化する前に対処しましょう
前立腺肥大症がまだ軽い時は、残尿感を感じても膀胱に尿が残っていない場合が多いのですが、悪化して尿道の入り口が極端に狭くなっていくと、膀胱に尿が残ってしまう本当の”残尿”になります。
そうなると、膀胱に残った尿に細菌が繁殖しての膀胱炎や、腎臓に細菌が入って腎盂炎の原因になることもありますので、悪化する前に専門医を受診して治療することが大切です。
少し残尿感があるけれども、頻尿で生活に支障が出ていないという程度でしたら、おしっこの切れをよくするために、振り切るだけではなく、根本から絞り出す方法を試してみましょう。
また、ノコギリヤシのサプリメントを試してみるのも方法です。
それでも頻尿が解消せずに悪化するようでしたら専門医を受診するとよいでしょう。
女性の残尿感は膀胱炎から
尿切れが悪いと女性が感じる時、最も多い原因は膀胱炎です。女性は尿道が男性に較べて大変短いので、尿道口から入った細菌が膀胱に入りやすく、膀胱炎にかかる率が高くなります。
膀胱炎の初期症状として、頻尿と排尿痛があります。膀胱で繁殖している細菌が膀胱を刺激すると、尿が溜まっていないのにおしっこのサインを出したり、細菌が尿道を荒らして排尿痛をおこします。やはりおしっこの後ですっきりしない残尿感を感じます。
膀胱炎は、疲れが溜まって免疫力が低い時に症状が出ることも多いものです。初期で症状が軽いうちは、休養をとりながら膀胱内の細菌を流すために水分を1日3~5リットル以上とる方法でも治ります。
悪化した場合は、抗生剤での治療が必要になりますので、早めに泌尿器科か内科を受診して治しましょう。
膀胱訓練でスッキリ
尿切れが悪いため頻繁にトイレに通うようになると、膀胱に尿がしっかり溜まることがなくなります。すると、尿が溜まっていないのに強い尿意が出る過活動膀胱という症状が出てくることがあります。そうなると、それが原因でますます頻尿が悪化するという悪循環になってしまいます。
できれば、過活動膀胱が悪化する前に残尿感による頻尿は解消したいものです。そのための方法として、膀胱訓練が有効です。膀胱訓練とは、少しずつおしっこを我慢することで、膀胱の機能を回復する訓練です。
薬剤の投与と合わせてプログラムを組む場合も多いので、専門医の監修のもとで行うとよいでしょう。