糖尿病による頻尿の症状 | 排尿の回数・量が多い原因となる病気
近年、排尿の回数が多い「頻尿」に悩む方が増えています。頻尿の原因は泌尿器系トラブルの場合が多いですが、それ以外の病気によって起きることもあります。
- 排尿の回数や量が多い
- 何をするのもおっくうな感じがする
- 喉がやたらに渇くので水分を多く摂っている
そんな症状が思い当たる場合には、糖尿病が原因かもしれません。
糖尿病とは
血液中には、私たちが摂った食べ物を消化してできたブドウ糖が含まれています。その血液中のブドウ糖量を「血糖値」といいます。
血糖値は、膵臓で作られるインスリンの働きによって一定に保たれていますが、インスリンの分泌が少なかったり働きが弱いと、血糖値が異常に高くなってしまいます。その状態を「高血糖」といい、「糖尿病」の原因となります。
高血糖を放置していると、様々な合併症や動脈硬化などを引き起こすことがあるため、血糖値を低く抑える治療に取り組む必要があります。
糖尿病による頻尿の特徴
糖尿病が軽度のうちはほとんど自覚症状がないため、発見が遅れることがありますが、頻尿は重要なサインです。
インスリンの働きが弱まり血液中の血糖値が高くなると、私たちの体はブドウ糖を水分と一緒に排泄しようとして、尿の量を増やします。水分がどんどん尿となって排泄されるため脱水気味になり、やたらと喉が渇くというのも糖尿病の代表的な症状です。
前立腺肥大症や過活動膀胱、膀胱炎などによる大部分の頻尿では、膀胱に溜まる尿の量は普通なのに何度もトイレに通うため、一度に排泄する尿の量は少なめです。
それに対して、糖尿病が原因の頻尿の特徴は、何度もトイレに通うのに一度に出る尿の量が多いということで、大部分の頻尿とは異なります。
糖尿病のチェック
「頻尿で、一回の排尿量が多く、喉がとても渇く」という症状が気になったら、早急に血糖値をチェックしてみましょう。糖尿病を放置していると、合併症が出てきます。
糖尿病の合併症はいろいろありますが、排尿障害としては、「糖尿病性神経障害」によって膀胱の神経が障害されて夜間頻尿になることがあります。もちろん、血糖値をコントロールして合併症を未然に防ぐに越したことはありません。
その他の病気
泌尿器系以外の病気が原因で頻尿の症状が出る病気は、糖尿病の他に以下のようなものがあります。
心不全
心臓の働きが弱いと日中に十分尿が作れなくなり、夜間にその分を作ろうとするため、夜間多尿による頻尿になります。脚などにむくみがあり、夜間多尿の症状が出ている場合は要注意です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群になると胸腔内の圧力が低下することで心臓が膨らみ、心臓からの血流が増えることで尿が増えて頻尿になります。「夜だけ頻尿」の場合は心不全と共に要注意です。
自律神経失調症
強いストレスが持続することで自律神経が乱れ、頻尿の症状が出ることがあります。いわゆる心因性頻尿です。
早めに医師に相談を
今回は、「糖尿病やその他の病気による頻尿・多尿の症状」についてご紹介しました。
このように、頻尿は泌尿器系トラブル以外の原因で起きていることがあり、命に関わる病気の場合もあります。症状が気になってきた場合には早めに医師に相談し、原因を明らかにすることが大切です。