神経性頻尿による急な尿意 | 緊張でトイレが近くなる原因と治療法
トイレに行けない時に限って、強い尿意を感じることはありませんか? 車やバスでの長時間の移動中や、大事な会議の最中など、我慢を続けているとその辛い経験がトラウマのようになり、同様の場面で急な尿意を感じる神経性頻尿の原因になることがあります。
今回は、神経性頻尿による急な尿意の原因と治療法についてまとめます。
神経性頻尿の症状
加齢に伴う排尿機能の低下による頻尿と違い、精神的な疾患である神経性頻尿は、老若男女問わず悩みを抱える人が多くいます。
「家にいる時はなんでもないのに、外出すると30分に1度は尿意をもよおしてしまうので、トイレの場所ばかりが気になってしまう。」
「車で移動する時、他の人が運転する車に乗ると頻繁にトイレに行きたくなる。」
「昼休みにトイレに行ったばかりなのに、会社の会議が始まるとすぐにトイレに行きたくなる。」
このような神経性頻尿は、乗り物での移動中、授業中、会社の会議中など、すぐにトイレに行けない状況の時に起こりやすい症状です。
多くの場合、トイレを我慢しすぎて非常に苦しい思いをしたことや、我慢できずにお漏らしをしてしまったといった経験がきっかけで、「また同じ事が起こったらどうしよう」という予期不安が原因となっています。その予期不安による緊張・ストレスに体が反応して急な尿意を感じ、頻尿の症状が出るというわけです。
何ら身体的な問題がないのに頻尿になっている神経性頻尿では、何かに没頭したり、夜眠っていたりと、おしっこを意識することがない場面では尿意を感じないという特徴があります。
緊張する場面では「おしっこが溜まる前にトイレに行っておかないと大変」という強迫観念に捕らわれることが原因で、頻繁にトイレに通うため、仕事や日常生活に支障が生じてしまいます。
神経性頻尿の治療
神経性頻尿の場合、強い頻尿の症状で泌尿器科や内科を受診しても、身体的には何の異常もみられません。そのことを理解し、心因性の原因を認めることから治療が始まります。
治療では、カウンセリングや、緊張を緩和する薬を服用することがあります。また、排尿日誌をつけてどのような場面でトイレが近いのか客観的に把握したり、膀胱に尿を溜めることができるよう、膀胱訓練を行います。
多くの神経性頻尿はこのような治療によって改善します。けれども稀に、重度の神経症と判断され、心療内科で専門的に精神的な治療を行うこともあります。
いずれにせよ、頻尿のもととなっている不安やこだわりを解消することが、神経性頻尿の根本的な治療となります。
まとめ
今回は、神経性頻尿の原因と治療法についてご紹介しました。
特定の場面で強い不安や緊張を感じて尿意をもよおしたり、いざトイレにいってもほとんど尿が出ないといったことを繰り返すようであれば、神経性頻尿の可能性があります。
仕事や日常生活に支障を及ぼす場合には、早めに医師に相談して、適切な治療に取り組むようにしましょう。