頻尿へのペポカボチャ種子エキスの効果・効能
「60才になった頃からトイレが近くなり、最近は1時間に1回はトイレに行きたくなるので友人と会ったりするのも億劫になってしまった…。」
「夜に何度もトイレに起きるので睡眠不足。日中もボーッとしてしまい何事もはかどらなくなってしまった…。」
このように、頻尿の悩みによって生活全体が楽しめなくなっている方が多くいらっしゃいます。
そんな頻尿に悩む人向けの成分として、ペポカボチャの種子エキスが注目を集めています。男女を問わず、頻尿を始めとする泌尿器系のトラブルに効果が高いといわれています。
今回は、この「ペポカボチャ種子エキス」の効果・効能についてお話ししましょう。
ペポカボチャとは?
ペポカボチャというのは、日本では”おもちゃカボチャ”とも呼ばれているカボチャの一種です。野菜売り場に並んでいる西洋カボチャやニホンカボチャとは異なります。観賞用から食用まで、さまざまな形の品種があります。
その中で、種を食用とする無種皮ペポカボチャの種が、ヨーロッパで昔からハーブとして用いられてきました。そのペポカボチャの種からオイルを抽出したのが、ペポカボチャ種子エキスです。カボチャの種を大量に摂取するのは大変ですが、エキスとして効率良く摂取することができます。
ドイツでは医薬品
東洋の漢方薬のように、ヨーロッパでは昔からハーブが様々な薬として使われてきました。20世紀にドイツで本格的にハーブの研究が始まった時から、ペポカボチャの種子も研究対象とされてきました。泌尿器系の疾患に効能があることが報告され、今では医薬品としてドイツの病院等で使われています。
日本でも医療機関でペポカボチャ種子エキスの効能を調べる臨床研究がなされました。52才から86才の、排尿回数が多く就寝中に2回以上起きるという女性群に、ペポカボチャの種子エキスを6週間摂取させたそうです。すると、摂取1週間後から著しい改善がみられ、夜間排尿回数、日中排尿回数、睡眠に対する満足度、失禁回数が有意に改善したということです。特に夜間頻尿では80%以上という極めて高い改善率でした。(※1)
また、過活動膀胱といって、膀胱に尿が十分に溜まっていないのに強い尿意を感じる症状で頻尿になっている方には、抗コリン薬を処方するのが一般的です。ただ、症状が軽度の場合は、ペポカボチャ種子エキスのサプリメントから初めてみるのもよいでしょう。
ペポカボチャ種子の栄養
ペポカボチャの種子には豊富な栄養素が含まれています。
緑黄色野菜に多いβカロチンをはじめ、ビタミンEの一種で抗酸化作用が高いトコフェノール、抗酸化作用があり過酸化脂質の分解に役立つセレン、必須脂肪酸のリノール酸など、アンチエイジングによいとされる成分が豊富なのが特徴です。これらが相まって、ホルモンバランスを整える効能があると言われています。
その他、前立腺肥大症を軽くする成分や、ククルビタシンという尿道括約筋を活性化する成分もみつかっています。まだまだ解明されていない部分も多く、研究が進めばさらに頻尿改善に効果のある成分がみつかるかもしれません。
ペポカボチャ種子のサプリメント
今、ノコギリヤシエキスが頻尿対策のサプリメントとして脚光を浴びています。ノコギリヤシは海外で医薬品として扱われるなど効果があるとされていますが、主に男性が対象となっています。
対して、ペポカボチャ種子エキスは、男女を問わず使用されている点が優れています。
いずれも、副作用の心配の少ないサプリメントですので、体に合うものを選んでみてはいかがでしょうか。
※1…「医学と薬学」46巻5号より