頻繁に尿意があるのに尿が出ない原因 | 男性・女性に多い病気
強い尿意は感じるけれども、いざトイレに行くとあまり尿が出ない。そのような経験はありませんか? 尿が出にくい原因には様々なものがあり、男性か女性かによってもかかりやすい病気は違います。
今回は、頻繁に尿意があるのに尿が出ない原因についてまとめます。
尿意があるのに尿が出ない原因
尿意があるのに尿が出ないのは、膀胱が何らかの原因で刺激を受けて、尿がほとんど溜まっていなくても「おしっこをしたい」という信号を脳に出しているためです。
通常、昼間の排尿の間隔は2時間〜4時間です。けれども頻尿が悪化してくると、トイレから出て30分も経っていないのに、強い尿意を感じることがあります。つい30分前にトイレでおしっこをしたばかりなのですから、多くの尿が出ないのは当たり前です。
このように、尿がほとんど溜まっていなくても膀胱が収縮して尿意を感じる頻尿の原因は、男性では前立腺肥大症、女性では膀胱炎が多く、その他に過活動膀胱、心因性頻尿といった病気が考えられます。
前立腺肥大
前立腺肥大症は加齢とともに罹患率が高くなり、60代以降の男性の半数以上がかかるとされる病気です。尿道を取り巻くように存在する前立腺が肥大することで、尿道を狭めて尿の出が悪くなり、残尿感や頻尿の症状が出ます。
また、「尿の勢いがない」「いきまないと尿が出ない」といった症状も現れ、悪化すると、後述する「尿閉」という尿が出ない状態になってしまうこともあります。
膀胱炎
膀胱炎は、膀胱に入った細菌が炎症を起こす病気です。女性は尿道が短いため膀胱炎にかかりやすく、膀胱が刺激を受けることによって頻繁に尿意をもよおします。
これらは、膀胱に尿が溜まったことによる尿意ではないため、「尿意があるのにそれほど尿が出ない」といった状態になります。膀胱炎では、頻尿の他、排尿痛や尿の濁りなどの症状が出ることもあります。

過活動膀胱
突然、我慢できないような強い尿意(尿意切迫感)を感じて、トイレに駆け込むような症状を過活動膀胱と呼びます。
過活動膀胱の原因としては、膀胱をコントロールしている神経の異常から、尿が溜まっていないのに膀胱が過剰に収縮してしまう神経因性と、それ以外の原因による非神経因性のものがあります。非神経因性のものとしては、加齢や出産時の骨盤底筋へのダメージによって、排尿のメカニズムが上手く働かなくなることなどがあげられます。
心因性頻尿
強いストレスや、過去の排尿での失敗によるトラウマから、こまめにトイレに行かないと不安に感じてしまい、そうした強迫観念によって頻繁に尿意を感じる症状です。
心因性頻尿では、トイレを我慢しようと意識すればするほど、尿意が頭から離れなくなってしまいます。しかし、実際に膀胱に尿が溜まっているわけではないので、いざトイレに行くとほとんど尿が出ないといったことが多くみられます。
尿閉
膀胱に尿が溜まっていて強い尿意があるのに、全く尿が出ないという場合には「尿閉」が疑われます。排尿ができないことによる下腹部の緊満、押した際の痛みの他、冷や汗、頻脈などの症状がみられます。
尿閉は男性に多く、前立腺肥大症の悪化が原因となるケースが大半です。尿閉の症状がみられる場合には、早期に病院を受診することが大切です。
早めの対策を
頻繁にトイレに通い、尿意があるのに尿が出ない状態では、外出先でもトイレのことばかりが気になってしまいます。
仕事や生活に支障が出るような場合には、早めに泌尿器科を受診して、適切な対策を取るようにしましょう。