頻尿の症状と原因 | 頻繁にトイレに行く場合のチェック事項
頻尿とは、名前の通り「頻繁に尿意を催す症状」です。
尿の悩みは他人に相談しづらいためつい放置してしまいがちですが、日中の行動範囲が狭くなったり、夜間頻尿で睡眠不足になるなど生活に大きな支障をきたすこともあります。
ここでは、そんな頻尿の症状と原因についてお話しします。
正常な排尿とは?
普段何気なくしているおしっこですが、とても良く出来た仕組みで成り立っているのをご存じですか?
- 尿は腎臓で作られて膀胱にたまります。
- 尿が100〜200mlたまると、脳が「おしっこを出したい」ことを人に伝えます。つまり、尿意を感じるようになります。
- 尿意を感じてからしばらくは排尿をしなくても平気です。
- トイレに行って自分でコントロールしながら排尿できます。
- 300ml以上の尿を勢いよく出すことができ、排尿後はスッキリします。
以上が正常な排尿で、通常1日に出る尿の量は1リットルから1.5リットル、回数は、昼間起きている時の4〜7回で、夜寝ている時はありません。
頻尿とは?
頻尿とは、頻繁に尿を催す症状のことです。昼間起きている時に8回以上の排尿があれば「昼間頻尿」、夜寝ている時に1〜2回以上の排尿があれば「夜間頻尿」といいます。
どちらの症状も頻繁にトイレに行くことになるため、生活の質を著しく下げてしまうことにつながります。
頻尿の症状
頻尿の症状は、大きく下記の5つに分けられます。
- 多尿によるもの
- 細菌感染によってトイレが近くなるもの
- 膀胱が狭くなって一度にでる尿量が少なくなるもの
- 尿道が狭くなって尿が出にくくなるもの
- 心理的なもの
1.多尿によるもの
水分の摂取が多いために尿量が増えて頻繁にトイレに行く場合は、水分を少なくすれば問題ありません。
それ以外に、利尿作用のあるカフェイン飲料の摂取、利尿作用のある降圧剤、強心剤などの服用で多尿になることもあります。
また、心不全が原因で夜間多尿になることがあるので、注意が必要です。
2.細菌感染によってトイレが近くなるもの
急に強い尿意を感じるタイプの頻尿は、細菌の感染や炎症が原因となることが多くあります。風邪をひいて何日もお風呂に入らなかったりすると、尿道から細菌が入って炎症を起こすことがあり、ほとんどは抗生剤で治ります。
3.膀胱が狭くなって一度に出る尿量が少なくなるもの
「突然トイレに行きたくなって、とても我慢ができない」という症状をともないながら細菌感染が認められない場合は、何らかの原因で膀胱の筋肉が勝手に縮んでしまう「過活動性膀胱」という病気が疑われます。過活動膀胱になると、本来溜められる量の尿を溜められなくなるので、頻繁にトイレに行くようになります。
4.尿道が狭くなって尿が出にくくなるもの
これは主に男性特有の前立腺肥大症が原因で起こります。
膀胱の出口から尿道の周囲を包むように存在している前立腺が肥大化することで、尿道が圧迫されてしまい、尿が出にくくなります。前立腺肥大症では、尿を出し切った気がしない残尿感のほか、過活動膀胱を合併しやすいため頻尿の症状が多くみられます。
5.心理的なもの
心因性頻尿といわれるものです。入社試験など、緊張する場面でトイレが近くなるのは、精神的なストレスが膀胱の収縮につながるためです。
このような一過性のものではなく、持続的なストレスで自律神経失調症をきたした場合も頻尿の症状が出ることがあります。また、過去に失禁してしまった経験から、こまめにトイレに通わないと不安になり、頻繁におしっこをする癖がついてしまって頻尿になることもあります。
あなたの頻尿はどのタイプ?
このように、一口に頻尿といってもさまざまな症状と原因があります。
場合によっては命に関わる病気が隠れていることもありますので、まずは病院でしっかり診断を仰ぐことが大切です。