排尿痛を伴う頻尿 | 排尿時の痛みの原因となる病気の特徴
トイレでおしっこをする時に、痛みを感じたことはありませんか?
排尿時の痛みを、排尿痛といいます。尿の通り道である膀胱、尿道、尿道口を尿が通る際に、ズーンという疼痛や、チクチクする痛み、焼け付くような熱感、時には激痛を感じることもあります。排尿痛を感じる病気では、同時にトイレが近い頻尿の症状も多くみられます。
排尿痛は、排尿が終わる頃の痛みか、尿の出始めの痛みか、排尿をしている間中の痛みかなど、原因によって特徴が異なります。今回は、排尿痛の原因となる病気と、痛み方の特徴についてまとめます。
排尿が終わる頃の痛み
膀胱炎
おしっこが終わる頃にズーンという疼痛を感じる場合は、膀胱炎の疑いがあります。尿道口から大腸菌などの細菌が入り、膀胱で繁殖して炎症を起こすのが膀胱炎です。女性に多い病気で、疲労やストレスなどで免疫力が弱まっているとかかりやすくなります。
膀胱炎は、排尿痛だけではなく、頻尿、尿の濁り、血尿、残尿感などの症状も出ます。また、慢性化すると、排尿をしている間中の痛みに変わっていきます。

尿路結石
腎臓や尿管・膀胱など、尿の通り道でできた結石が、おしっこの流れに乗って移動した時に尿道の壁を傷つけるために痛みます。
排尿時の痛みや血尿で発見されることもありますが、突然鋭い痛みを背中や脇腹に感じるのが特徴的な症状です。
尿の出始めの痛み
前立腺炎
前立腺の中で炎症が起きる疾患で、30代〜40代の若い男性に多くみられます。長時間のデスクワークや、自転車・バイクなど、前立腺に機械的な刺激が与えられて炎症になることが大きな原因です。
前立腺炎では、排尿時の痛みと頻尿の他、腹痛や性器の痛みが出ることもあります。
性感染症
セックスを介しての細菌感染症が、性感染症です。クラミジアや淋菌、カンジタ、梅毒などがあります。男性はペニスが泌尿器と性器を兼ねているため、尿道で細菌が繁殖して尿道炎になり、排尿痛や頻尿の症状が出ます。
今最も多い性感染症は「クラミジア」です。女性はクラミジアに感染していても自覚症状が乏しく、治療せずにセックスをすることによって広まっていると考えられています。
淋病や梅毒の場合は、尿道から膿が出てくることがあります。
排尿をしている間中の痛み
腎盂腎炎(じんうじんえん)
膀胱炎の原因となった細菌が腎臓まで達し、腎盂腎炎を引き起こすことがあります。突然、発熱、悪寒、腰部痛、吐き気、排尿時の痛みなどが起こります。
膀胱炎にかかりやすい女性に多い病気です。原因菌は90%が大腸菌ですが、まれに真菌や結核菌、ウィルスも原因となります。
尿道狭窄症
尿道狭窄症は、男性に多く起こる疾患です。尿道が細くなるために、頻尿、排尿痛などの排尿障害を引き起こします。
交通事故などによる尿道の外傷、性感染症による尿道炎の後遺症などが原因となります。
早めの治療が大切
トイレが近い頻尿に加えて、その都度、排尿痛があるというのはとても辛い症状です。
多くは感染症が原因のため、抗生剤の服用で治ります。放置すると悪化して、重篤な疾患の原因となることもあるため、早めの受診と治療が大切です。